免疫について

このところ「免疫力を高めるにはどうしたら良いですか?」とか

「免疫って腸が大事なんですよね!でも、何故ですか?」など

「免疫」に関するご質問を受けることが何度かありました。

説明させて頂くと「もっと前に知りたかった!!」とおっしゃる方もいたので、これは皆様にもお伝えしなければ!と思い、久方ぶりにブログを書くことにしました。

 

●免疫とは●

「免疫」とは「疫(えき)から免れる(まぬがれる)」つまり、「疫病(えきびょう)にならずに逃れる」ということを意味する言葉です。

「疫病(えきびょう)」とは、少し聞きなれない言葉かもしれませんが、「流行り病」つまり「伝染病」のことです。

「伝染病」と言うのは、「大勢の人にどんどん広がっていく」というところに焦点が当たっているネーミングですが、要するに「感染症」です。

「感染症」には、新型コロナウイルスや、インフルエンザや、ノロウイルスや、O-157や、水疱瘡や、手足口病や、水虫など…多種多様なものがあります。

その様な「感染症」にかからせない、重症化させないために体に備わっている仕組みを「免疫」と言います。

同じ場所にいたのに、又は、同じものを食べたのに、発症する人、発症しない人、軽症で済む人、重症化する人、と症状のあらわれ方、治り方は人それぞれ異なりますよね。その違いを生んでいるのが「免疫力の差」です。

 

●「免疫」のはたらき●

ウイルスや細菌などの病原体が体内に入ってこようとしたときに、それらを排除して体を守るのが「免疫」のはたらきです。

「感染症」は病原体が体内に侵入して発症しますが、体のどこから侵入するかご存知でしょうか。

実は、目、鼻、口、のどや、消化管の各粘膜からなのです。皮膚にピチョッと引っ付いて、そこから侵入するわけではありません。(但し、皮膚表面に傷口がある場合は、そこからばい菌等が入ってしまうことはあります。)

だからこそ、新型コロナウイルス感染症がまん延し始めた当初「手洗いをしましょう!」と盛んにキャンペーンをしていたわけです。ウイルスの付いた手で目鼻口を触らないために。現在は、新型コロナウイルスに関してはエアロゾル感染の影響が大きいと分かってきましたので「換気」が大切になりますが、これからも「手洗い」はしっかりやっていきましょう!!

 

のどの粘膜の表面には、細菌やウイルスをブロックする「線毛(せんもう)」という組織があります。

鼻や口から侵入したウイルスや細菌などが、粘膜から分泌される粘液に付着すると、線毛が働き、粘液ごと異物を体外へ押し出してくれます。

なので、ほこりっぽいところやカビっぽいところに行くと、くしゃみが出たり鼻水が出たりしますが、それは免疫がちゃんと働いてくれているということなのです。この線毛運動の働きが弱くなると、ウイルスや細菌が体内に侵入しやすくなってしまいます。

 

消化管の場合は、粘膜に病原体が付着すると、粘液の分泌や、内容物を先へ押し出していく蠕動(ぜんどう)運動が盛んになり、水分が吸収されることなく速やかに体外へ排出されるため、下痢症状が起こります。

この場合も、免疫がちゃんと働いてくれて、体を守ってくれたということです。下痢をできる方が良いのです。

 

しかし、病原体の中には簡単には体外に排出されない性質のものもあります。また「免疫力」が落ちていて、速やかに排出できないこともあります。

そうして体内に侵入されたら「自然免疫」の出番です。白血球や、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)などが更なる侵入を防ぎます。これは未知のウイルス相手であっても働く免疫機能です。

「自然免疫」でも感染を防げなかった場合は「獲得免疫」も協調して戦います。「獲得免疫」は過去に侵入されて治癒した経験がある病原体に対しては一生記憶していて、素早く対応できるという特徴があります。

その中でも、特に素早く反応するのがNK細胞です。NK細胞は体内におよそ50億個以上あるそうですが、数には個人差があり、1000億個以上ある人もいるそうです。

ちなみにこのNK細胞は、毎日数千個もできるというガン細胞のことも素早く見つけ出して攻撃し、ガンにならないようにしてくれています。

 

●「免疫には腸が大事」●

NK細胞などの免疫細胞の約70%は腸に存在していると言われています。更に、腸内細菌が免疫細胞を刺激し、活性化しているのだそうです。

その点に注目して「免疫には腸が大事」と言われているのです。

 ・腸内細菌の数が豊富で

 ・善玉菌、悪玉菌、日和見菌のバランスが良く

 ・腸内細菌が元気よく活動している

このような状態が、免疫力を落とさない為には重要ということになります。

(腸内細菌のバランスは善玉菌、悪玉菌、日和見菌が2対1対7が理想的だと言われています。悪玉菌が「0」ではなく「1」あることも重要なのです。)

 

そこで気をつけたいことが、食品添加物や、服用しているお薬の影響です。

食品添加物である合成着色料、合成保存料、発色剤、結着補強剤など、すべてが腸内細菌の発育や増加に悪影響を及ぼすと、免疫学者の藤田紘一郎先生は著書『腸内革命』の中で書かれています。

特に合成保存料は、食品に付着した細菌が繁殖しないように使用されるものなので、すべての種類の腸内細菌が元気を失ってしまうそうです。

 

又、お薬については、食習慣、生活習慣、運動習慣よりも、さらに腸内細菌叢(そう)への影響が大きいという研究もあります。

(国立国際医療研究センターのホームページ https://www.ncgm.go.jp/pressrelease/2022/20220720.html

それによると、薬の種類によっても影響度が異なり、「腸内細菌に悪影響がある」とよく言われる「抗生物質」は勿論影響があるのですが、それ以上に「タケキャブ」などの胃酸分泌抑制薬の影響は大きいそうです。

とは言え、そのお薬の使用を中止すれば、再び腸内細菌の状態は回復するそうですので、ご安心下さい。

 

●腸内細菌のためにできること●

では、具体的にどうしたら腸内細菌を良好な状態に保つことができるのでしょうか?

 

まずは、悪影響の大きいものを避けるという意味で、以下の二つが重要です。

 

 ・効果があるかないか分からないままずっと飲んでいるお薬について使用を中止できないかお医者様に相談する。

 ・食品添加物をなるべく摂取しないよう気を付ける。

 

その上で、腸内細菌を増やす、活発にするために以下のことも是非意識してみてください。

 

 ・腸内細菌のエサである食物繊維を沢山摂取する。

 ・腸内細菌が活発に活動できるよう「冷え」に気を付ける。

 ・味噌、漬物、納豆などの発酵食品、きのこ類を摂取する。

 ・善玉菌のエサであるオリゴ糖を毎日摂取する。

 ・便通を整える。

 

●「免疫には腸以外も大事」●

 

腸内細菌について気を付けるだけでなく、十分な睡眠、栄養バランスの良い食事、適度な運動、ストレス発散などももちろん大事です。

以前にも「免疫力を高める養生」や「免疫力を高める!」というタイトルでブログを書いているので、ご興味のある方は併せてお読み頂けたら幸いです。

是非「免疫力」を高めて、健やかでいきいきとした毎日をお過ごしください!

お疲れが溜まっている場合や、体調のチェックにも鍼灸の力を上手に利用して頂きたいです。

楽効堂でお待ちしております!